ファイターズガールのジンギスカンダンスが話題になっているようです。
昨年の「きつねダンス」の二番煎じ感を大いに感じますが、二匹目のドジョウはしっかり北広島に棲息していたようです。
この動画もすでに100万回再生を達成しているようで、きつねダンスを有名してくれたパ・リーグTVもしっかり動画を作ってたりしてくれています。
しかし、昔から気になることがあって、ジンギスカンって一体何なの?という疑問は残ります。
人物であり、料理であり、はたまた曲であったり、一つの言葉でここまで色々な意味で使われる言葉もそうないのではないか?
と感じましたので、今回はジンギスカンという言葉にまつわることを調べてみたいと思います。
人物
ジンギスカンを語るにはまずはその名がついた人物から見ていくべきでしょう。
ジンギスカンという名前より、チンギス・カン、チンギス・ハーンという呼び名の方が馴染みがある方も多いかと思いますが、モンゴル帝国の初代皇帝の座についた人物です。
Wikipediaではこのように説明されています。
大小様々な集団に分かれてお互いに抗争していたモンゴルの遊牧民諸部族を一代で統一し、中国・中央アジア・イラン・東ヨーロッパなどを次々に征服し、最終的には当時の世界人口の半数以上を統治するに到る人類史上最大規模の世界帝国であるモンゴル帝国の基盤を築き上げた。
Wikipediaチンギス・カンより
その後、彼の子孫の代で日本にも遠征を試みましたが、神風の到来などにより失敗したという歴史があります。(日本史的には元寇と呼ばれていますね)
これだけの大偉業を達成した人物ですから、モンゴルでは当然のことながら、英雄視されている人物ですね。
楽曲
オリジナル
簡単に人物について触れていきましたが、ここからはジンギスカンダンスで流れている楽曲について見ていきたいと思います。
ダンスで使用されているのは、ファイターズガールがカバーしたものですが、原曲はジンギスカンというドイツ(当時は西ドイツ)のグループのジンギスカンという曲です。
このように書くと、何のこっちゃ?と感じてしまいますが、ジンギスカンという名前のグループのデビュー曲がグループ名と同じタイトルである「ジンギスカン」というわけです。
日本で言えば嵐のデビュー曲が「A・RA・SHI」だったのと同じようなものですね(←そうか?)
楽曲「ジンギスカン」は想像通り、モンゴルの英雄「ジンギスカン」から名付けられたもので、楽曲「ジンギスカン」もモンゴル初代皇帝をモチーフにした曲とのこと。
「ジンギスカン」はヒットし、その後、「めざせモスクワ」などがヒットしましたが、1985年で解散、その後再結成などをしていますが、メンバー間で分裂状態になったり、とにかく色々あるようです。(興味があったら調べてみてください)
どうでもいいけどミュージシャンの「方向性の違い」という言葉って色々な意味で使えて便利な言葉と感じるのは僕だけでしょうか?(笑)
カバー楽曲
その後、楽曲「ジンギスカン」が多くのミュージシャンにカバーされ、発売当時だけでなく、21世紀になってもカバーされています。
音源化されていないものも含めると、SMAPや米米CLUBもカバーしているようで、色々な形で日本で流れている楽曲で、聞いたことがない方の方がもしかして少ないのでは?と感じるほど影響が強い楽曲です。
ファイターズガールが歌っている歌詞は、1979年に発表された5カラット版のものと同じで山本伊織さんという方が訳詩したものです。
ファイターズガールの前になると2008年にはももちこと嗣永桃子さんが在籍していたハロー!プロジェクトのグループ、Berrz工房が同じ山本伊織訳詩バージョンでシングルとしてリリースをしています。
50年近くも色々な形で楽曲がクローズアップされ続けるということは、素直にすごいの一言ですね。
でも、なんでつんくはこれをカバーしようと思ったのだろうか?
料理
定義
さて、ここまでは音楽中心に書いてきましたが、ここからは料理についてです。
ファイターズガールのダンスではジンギスカンの鍋を持って頭にひつじの被り物をして踊っています。
こう書くとかなりシュールに聞こえますが、ジンギスカンといえば羊肉の料理を真っ先に連想する方も多いと思います。
では、なぜそれがジンギスカンと呼ばれるようになったのかについて調べてみたいと思います。
まずは定義から、Wikipedia先生に頼ってみます。
ジンギスカン(成吉思汗)は、マトン(成羊肉)やラム(仔羊肉)などの羊肉を用いた日本の焼肉料理。鍋料理に分類されることもあるが調理方法は鉄板料理の調理方法である。
一般的には北海道を代表する郷土料理とされる他、岩手県遠野市、山形県の蔵王温泉付近をはじめとする村山地方、長野県など一部地域でも盛んに食される。発祥は東京・高円寺の店という説もあり、現在では各地にジンギスカン料理を出す飲食店や、家庭調理用の肉・タレを販売する小売店がある。
ジンギスカン(料理)Wikipediaより
北海道以外でもかなりの地域で食べられているようですね・・・。
仮に東北楽天さんがジンギスカンダンスをやったとしても、地域性に合っている催し物ということになるわけですが・・・まあやらないでしょうね(笑)
起源
続いて起源を調べてみましょう。
起源については、俗説で「かつてモンゴル帝国を率いたジンギスカン(チンギス・カン)が遠征の陣中で兵士のために作らせた」と説明される場合もあるが、実際にはモンゴルの料理とはかけ離れている。また羊肉を用いる中国料理としては清真料理の烤羊肉(こうようにく、kǎoyángròu)という羊肉料理があるが、これも日本で食べられているジンギスカンとは程遠い。ジンギスカン料理の起源自体は中国大陸にあると言われ、日本陸軍の旧満州(現中国東北部)への進出などを機に、前述の烤羊肉から着想を得たものが日本人向けにアレンジされ、現在のような形式となったものとみられる。
ジンギスカン(料理)Wikipediaより
命名理由としては源義経がモンゴルにわたりチンギス・ハンになったという都市伝説から出来たのでは?とWikipediaにも記載がされているのですが、モンゴル=ジンギスカンとは安易だなあと感じる一方、上の起源を読み返すと、そもそもモンゴルじゃなくて中国じゃね?とツッコミたくなります。
命名に関しては諸説あるようで、はっきりとしたことはわかっていないようで、モンゴルの一部の方からは自国の英雄の名前を料理に使用されていることに嫌悪感を感じている人もいるとか(少し昔の日本は他国の名前を勝手に使用して抗議されていたこともありますからね・・)
北海道で盛んになった理由
では、なぜジンギスカン料理=北海道というイメージがつくくらい、北海道でジンギスカン料理が盛んになったのか?
これは明治時代からの日本の政策に深く関わりがあるようです。
日本では明治時代から北海道で肉用を含めた綿羊の飼育が行われており、1918年(大正7年)に軍隊、警察、鉄道員用制服の素材となる羊毛自給を目指す「緬羊百万頭計画」が立案され、滝川や札幌の月寒など全国5カ所に種羊場が開設された。このため北海道は1924年(大正14年)の時点で全国の42.7%が飼育される最大の飼育地となっていた。計画の早期実現のために羊毛のみならず羊肉をも消費させることで、農家の収入増加と、飼育頭数増加が企図され、その流れの中からジンギスカンが出現したものと考えられている。
ジンギスカン(料理)Wikipediaより
綿羊の飼育を北海道を中心に始まったことで結果的に羊肉を消費するために生み出されたものがジンギスカン料理だったようです。
なぜ、北海道だったのか、そして本州の一部の地域でもジンギスカン料理が盛んなところがあるのか、これではっきりしました。
畜産政策から始まったところがいかにも北海道らしいのですが、命名や起源などあまりはっきりとわかっていないものも多いようですね。
まとめ
ジンギスカンという言葉でモンゴル帝国初代皇帝、楽曲、料理という形で簡単ですがまとめてみました。
楽曲とモンゴル帝国には接点がありそうですが、料理の方はそもそもモンゴル起源かどうかも怪しいものでした。
そういう意味ではひつじと楽曲ジンギスカンには何の関連性もないのですが、これを一体化させたファイターズガールのジンギスカンダンスは画期的だったのかもしれません。
小さい時から馴染みのある楽曲と、羊肉料理がなぜ同じジンギスカンという名前だったのか?こうやって調べてみないと深い理由をなかなか知る機会もなかったので、個人的にも勉強になりました。
最初にきつねダンスの二番煎じと書きましたが、ジンギスカンダンスは調べてみると、実は意外と奥深い代物なのかも、と考えるのは考えすぎでしょうか?(笑)
何はともあれ、ファイターズが注目を浴びるのは悪い気がしませんし、また盛り上がれば、他球団のダンスチームも注目を浴びる機会も増えそうですし、みんながHAPPYになっていいんじゃないかと思います。
というわけで以上、ハムかつさんどでした。
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