【新球場問題】エスコンF、結局改修なしで決着

先日、一定の決着を見たはずのエスコンフィールドのファウルゾーン問題ですが、まさかの急転直下の決着でした。

日本ハム新球場、改修なしで使用 NPB、野球振興に寄付を条件に(共同通信)

日本野球機構(NPB)は7日、プロ野球日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」のファウルゾーンが規定より狭い問題で、球団が今後ルール順守を徹底し、NPBに野球振興活動への寄付を行うことを条件に改修せず使用することを認めたと発表した。寄付の金額は明らかにしていないが、改修費の試算を目安に日本ハムが決める。

 6日に行われた実行委員会で榊原定征コミッショナーが「魅力ある野球をファンに披露する、見ていただく、という基本姿勢に立ち返る」と述べ、球場の形態を継続することを提案。日本ハムが二つの条件を満たすことを前提に、12球団が全会一致で了承した。

日本ハム新球場、改修なしで使用 NPB、野球振興に寄付を条件に(共同通信)
スポンサーリンク

今までの流れ

まさかのオカネでの決着となりましたが、今までの流れを軽く振り返りましょう。

エスコンフィールドのファウルゾーンから日本公認野球規則に反するということで一部球団から指摘を受け、協議の結果、日本ハム球団側が謝罪、来季以降の改修を条件に、今季は現状で試合ができる運びとなっていました。

NPBのスタンスとしては、公認野球規則に反しているのだから回収はしてもらいたい、しかし今季の開幕には間に合わないのでとりあえずは特例でこのまま使用するといったものでした。

しかし、問題となった規則で原文であるアメリカのものとは異なる解釈をしていたことがもう一つの大きな焦点となってきました。

 アメリカでは推奨と記載があるのに、日本では義務として記載がされていたことです。

 実際にメジャーリーグでは、その推奨と記載されている距離未満のグラウンドも多くあり、それがこの規則が果たして、そこまで重要視するべきものなのか?という流れになってきたものだと思います。

 しっかりと明記されている規則だから守らせなければいけない、しかしその規則が果たしてそこまでして守ってもらう規則なのか。今回の問題のポイントはこんなところではないかと思います。

 この問題についにコミッショナーが動き出しました。

 「寄付をすることで球場を改修しなくてもいい」

つまり、お金を払ってくれれば、このまま使用しても問題ない、というコミッショナーの提案がされ、ファイターズが了承、他球団もその提案に同意することで、今回の最終決着になりました。

世論の流れに屈する?

この結果となって、ホッとしたのは日本ハム球団側です。

球場改修同等のペナルティ?を支払うことになったものの、結局は球団の思惑通りの球場が使用できるようになったわけですから。

ルール順守を徹底させると確認はあったものの、「作ったもの勝ち」が通用してしまった悪例として今回の件が記録されることになりました。

今回のコミッショナー提案としては世論の意見を大きく反映させたものとなりました。

今回のファウルゾーンの規定は果たしてここまでして守らなければいけないものなのか?その大きな流れにコミッショナーが重い腰を挙げた形となりました。

実際にNPB側でもこの意訳になった意味も曖昧で、守るべきルールなのかどうかの判断も微妙で、規則だから守らなければいけない、だから守ってもらいましょうというスタンスだけだったと思われます。

 そこまで守らないといけないものではない、しかしルールなので守ってもらわないといけない、というところでの落とし所はが今回の提案だったものかと思います。

 今回の顛末で改めて確認できたことは、NPBのコミッショナーの存在感の希薄さでした。

 最終的にコミッショナーがいい落とし所を見つけてくれましたが、問題発覚時に指導力を発揮してくれれば、改修という結論が一時的に出ることはなかったと思われます。

 NPBで問題が発覚した時に最終判断を下す役割がコミッショナーと思いますし、コミッショナー抜きで話が一時決着したことは、改めて違和感を感じてしまいます。

 あとはNPB側の野球規則に対しての認識不足でしょうか。

 なぜ規則の意味が曖昧なルールを、改修させようとするまで守らせようとしたのかが今となっては疑問で、個人的には規則だから守らなければいけないのだから改修やむなしというスタンスだったので、この判断は尊重していたのですが、こう簡単に変えてしまうと、NPBの強行姿勢は一体何だったの?とう気持ちが残ります。

結果的には日本ハムがペナルティーを払うことで決着をして、球場も野球ファンが望む形で使用できることになったのは良かったのですが、しかしここまでの経緯を振り返ると、NPBという組織がかなりファジーであることを改めて感じた一件でした。

 というわけで以上、ハムかつサンドでした。

コメント