今回は前回に続き、ファイターズの急所を確認していきたいと思います。
前回の投手編に続き、今回は野手編です。
野手陣の急所は二塁手!
野手陣の急所はと考えるとほとんど全て!!なんて声も聞こえてきそうですが、実際にはレギュラー有力の選手は若い選手がほとんどで、彼らの成長待ちというところに賭けるしかないのが現状のファイターズです。
若手の成長速度は当てにはできず、成長速度にも当然の如く個人差があります。
それでは、若手の成長に賭けるポジションではなく、ファイターズの弱点になっているポジションは果たしてあるのか?というところですが、それが実は長年課題になっているポジションでもある、二塁手です。
他球団の比較をサイバーメトリクスの数値で確認
それではファイターズは他球団と比較して二塁手のポジションはどうなのか?サイバーメトリクスの数値を参照し、比較していきたいと思います。
まずは守備面、UZR1000 という数値で球団比較をしていきます。

参照:データで野球を楽しもう!第249回 【プロ野球】2022年の守備の評価指標UZR1000ランキング(UZR,Catcher,RngR,ErrR,DPR,ARM)球団別より
この表を見ると二塁手はパ・リーグでワースト、ファイターズでのポジション別で見ても、一番マイナスの数値を出してしまっているのは二塁手ということになります。
守備難と言われている清宮、野村の一塁、三塁がさほどマイナスが大きくなく、セカンドが守備の穴と化していることが可視化できる表かと思います。
続いて攻撃の数値をポジション別で見た場合、どうなるか確認してみました。なお表を貼り付けることができなかったので、詳細は下のリンク先から確認してみてください。
参考資料:日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog2022年パリーグ・ポジション別wRAAと先発救援別RSAA(シーズン終了時点)
二塁手だけ抜粋してみますと
球団名 | wRAA |
---|---|
オリックス | -12.7 |
ソフトバンク | 11.8 |
西武 | -15.2 |
楽天 | 19.2 |
ロッテ | 6.3 |
日本ハム | -9.4 |
守備ほどではないにしろ、マイナスを叩き出しています。
先ほどのUZR1000と比較するとライオンズはwRAAでは大きくマイナスを出しているもののUZRでは高数値、オリックスもUZR1000の数値はマイナスではあるもののわずかですから、ファイターズが二塁手というポジションで比較すると、残念ながら攻守ともに他球団より劣ってしまっていることが確認できます。
二塁手は長年の課題
昨季の数値を見てきましたが、実はセカンドというポジションの弱さはここ数年の課題でもあります。
上位定着していた頃のセカンドは田中賢介でしたが、彼がMLB移籍していた2013年、2014年と若手にレギュラーを譲った2017年以降は強みだったポジションが弱みになりました。
賢介からポジションを奪った形となった渡邉はある程度の打力は見せましたが、守備はパ・リーグワーストレベル。
打力型セカンドと言っても、同型の浅村には打撃成績では遠く及びませんから、ある意味中途半端なセカンドでファイターズでは終わってしまいました。
北海道移転後の優勝は全ての年で賢介がレギュラーで賢介不在の年は3位が最高ということで賢介以外のセカンドがチームにプラス面であまり貢献できていないということの証左ではないでしょうか。
急所克服の道は険し
こう見ると守備、打撃ともに他球団と比較しても秀でた数値を残していないファイターズのセカンドエスが、両方ともプラスを出せる数値を出せる選手が出てくればいうことはないのですが、それは夢物語と考えるのが現実的です。
最もMLB経験のある加藤がクリアしてくれる期待もありますが、日本球界未経験の選手にここまでの期待をするのは酷ですから、まずは守備、あるいは打撃のいずれかで秀でた選手がレギュラー定着してくれれば光明が見えてきます。
昨季のデータを見ると守備イニングまでは確認できなかったのですが、先発ではアルカンタラ、守備位置についた試合数では石井がチームトップです。
セカンドはどのポジションよりも流動的で、先ほど紹介した数値で誰が影響が大きいかとは断定しづらいのですが、この2人の働きが影響しているのは間違いないです。
前年経験事た選手ですとあとは谷内くらいで、その中に加藤が割り込んでくるというのがキャンプ前のセカンドのレギュラー争いになりそうですが、谷内も昨季はよく打撃でも貢献しましたが、レギュラーとして考えると物足りなさはあります。
セカンドのポジション争いで今季特に検討しなければいけないのは新球場、エスコンフィールドが天然芝の球場であることです。
打球が殺されにくい札幌ドームの人工芝とは違い、天然芝のグラウンドは打球の勢いが殺されるので、今まで以上に内野の守備能力が重要になり、内野のキーポジションであるセカンドも当然守備力が高く考慮されないといけません。
守備重視の新庄監督ですから、守備力は大きく判断材料になると思いますが、そうなると無難レベルのアルカンタラは苦しく、守備職人の谷内、セカンドの守備に監督から高評価の石井当たりがまずは候補に上がるのでしょうか。
上にあげた選手以外で一気に抜くような選手が見当たらないことと、コンバートで付け焼き刃で対応するのが難しいポジションですから、ここは加藤に期待するしかないのかもしれません。
しかし、ポジション争いが激しくなるのは確実で、個人の底上げも期待できるのは好材料で、今までより高いポジション争いができれば自然にセカンドの層も厚くなると思いますし、現状ではその点に期待するしかないかと思います。
というわけで以上、ハムかつサンドでした。
追記:この記事をupした直後、加藤の故障が発表されました。まずはしっかり治して欲しいのですが、これでセカンド問題がますます難しくなってきそうです。(2023/1/31 PM8:30追記)
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