ホークスへFA移籍した近藤の人的補償として田中正義投手が指名されました。
田中正義とはどんな投手なのか?そしてファイターズの田中指名の狙いは何か、掘り下げていきたいと思います。
田中正義はどんな選手か?
まずは田中の投手としての能力を確認していきます。
当時、創価大の田中は2016年オフのドラフトで5球団競合の末、ホークスが交渉権獲得し、NPB入りを果たしています。
ファイターズも最初の入札は田中でしたが、先にホークスに当たりくじを引かれてしまい、その後、佐々木千隼(現ロッテ)も外し、堀を指名しました。
ちなみに創価大のチームメイトだったのが現ファイターズの池田でイーグルスに2位指名されており、この年の創価大の2枚看板はかなり高い評価を受けていました。
5球団競合でしたが、その一年前には12球団全て1位指名するのではないか?と囁かれるくらいのドラフトの超目玉で、大学3年時のピッチングでもすぐにプロで活躍できる、そんな能力をすでに示していました。
プロでどれだけの数字を残してくれるのか、世間の期待は大きかったのですが、その期待に応えることはできませんでした。
プロ入り後、右肩、右肘と様々な故障に悩まされており、能力は高くても、その能力を発揮する状態に至らず、プロ入りしてからすでに6年の年月が経過してしまいました。
苦難の田中でしたが、2022年開幕前にアピールし先発ローテ入りの当確ランプが点灯するところまでにはなったのですが、またしても右肩痛で戦線離脱、8月には一軍復帰したものの、リリーフのみの5試合の登板に終わりました。
田中の現在のピッチング内容
それでは、今の田中の投球内容はどんなものか、確認していきます。
全て1イニングずつでの5試合登板に終わった今季ですが、4試合が1イニングをパーフェクトに抑えており、故障による能力の劣化は見られない内容です。
しかし、復帰後は連投はさせない、3回登板したらファームで再調整というプランが設定されていたように(実際はコロナ感染での降格)、肩の回復具合を見ながらの起用でした。
これが一時的なのか、今後も杉浦のように肩の様子を伺いながら、起用しないといけない状況なのかはちょっと判断は外部からは難しいです。
投球スタイルとしては150キロ前後のストレートとフォークのコンビネーション。
しかもストレートで空振りを取れているので、ファイターズに少ないストレートで押すことができる投手です。
ファイターズの狙いは?
今度はファイターズサイドの田中指名に至った経緯を推察していきましょう。
プロテクトのリストが一般公開されていない以上、推測になってしまいますが、ファイターズはやはり投手力、特にリリーフタイプの補強を図ったと思われます。
特にリリーフで速球派がほぼ皆無の状況で、トレードでタイガースから齋藤を獲得しましたが、まだまだ不足しているので、ここで田中を指名したのかと考えられます。
当ブログでは以前、人的補償の候補としてリリーフの場合、コンスタントに投げることができるリリーフがいれば指名したい、と書かせていただきましたが、田中は能力の高さは示されているものの、コンスタントに投げることが一番考えにくい投手かと思います、
もちろん、ファイターズの弱点がリリーフということはホークスも承知でプロテクトをかけているので、ある程度の登板数を今期残したリリーフを多めにプロテクトをかけている可能性は高いと見てはいますが、それにしても、一発ロマンにかけてみた、そんな指名だったと思います。
コンスタントに投げることができれば、大きな戦力になることは間違いないようですが、しかし今まで同様のケースも大いに考えられるので、ギャンブル要素が大きい指名だと思います。
優勝を狙うと公言している割にここでギャンブルかよ!とツッコミたくもなりますが、その賭けに勝った場合のリターンの大きさに期待したということでしょうか。
口が軽すぎるファイターズ上層部
今回の人的補償の報道で一つ気になったことがあったので、そのことについて触れていきたいと思います。
ファイターズ側で随分、情報を事前に出していたのがとても気になりました。
吉村統括本部長が「高年俸選手も含まれている」と発言したり、稲葉GMも「候補は投手3名、野手1名」と発言したり、挙げ句の果てには新庄監督が「「た」で始まる選手」と実名は出さないまでも暗に誰かわかるような発言をしていたのは、正直、対象選手に対してあまりにも礼を失すると思います。
発言当時はホークスに通達すらしていないわけですから、ホークスから田中には当然通達はしていないのに、メディアから相手監督の発言として報じられるのは正直、本人はショックだったと考えられます。
田中本人も当然、ホークスで成績を上げるために今年も頑張るつもりだったのですが、球団ではなく、メディア経由で移籍先の監督がクイズのようにして自分の名前を挙げられている、このチームで大丈夫か?と疑念を持ってしまう可能性があります。
吉村、稲葉両氏の発言はまだセーフですが、新庄監督の発言はあまりにも軽率でした。
まさか断れないために、わざとホークス通達前に匂わせをした可能性も考えられますが、本来はホークスに拒否権がないので、例え拒否されたなら堂々と抗議すればいいだけの話。
(※一部報道のみで信憑性は不明だが、ドラゴンズの人的補償で拒否されたという報道がありましたね)
最近のファイターズのフロントはどうも軽いというか、姑息というか、そんなことがまたも見えてしまったのがなんとも残念でした。
というわけで以上、ハムかつサンドでした。
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