【日本ハム2020年度レギュラーチェック】完全なる停滞期

 ファイターズは育成の球団を標榜していますが、果たしてその育成はうまく行っているのか?

 ドラフトの指名・外国人の補強は的確だったのか?

 レギュラー選手の移り変わりを見ることで確認していくシリーズ、今回はコロナ禍の2020年を振り返って行きます。

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2020年度成績&表彰選手

  • 5位
  • 53勝62敗5分 勝率.461
  • 打点王 中田 翔
  • 最高出塁率 近藤 健介
  • ベストナイン 中田 翔 (一塁手)近藤 健介(DH)

2019年オフ→2020年の主な出来事

  • コロナ禍で6月に開幕延期、交流戦中止により120試合制でペナントレース実施
  • 田中賢 引退
  • ビヤヌエバ、バーヘイゲン入団

投手

先発~12先発以上

2019年(15先発以上)2020年(12先発以上)
有原有原
加藤上沢
金子バーヘイゲン
マルティネス
杉浦
河野

 120試合制のシーズンのため、数字を単純比較が難しいのですが、先発の軸と期待された有原が前年のような安定感が見られません。代わりに前年の大怪我で出遅れ必死だった上沢が、開幕延期の恩恵を受け、ほぼ一年間ローテで投げてくれるという嬉しい誤算もありました。

杉浦が肩の状況を見ながら大事に起用され7勝をマーク、新外国人のバーヘイゲンも期待通りの働きをしてくれました。

故障からの復活のマルティネスは一昨年の輝きを取り戻せず、このシーズン限りで退団、翌年移籍先で輝きを取り戻すという皮肉な結果となります。河野も先発機会を多くもらいますが、先発定着には程遠い内容でした。

リリーフ

2019年2020年
20セーブ以上orチーム最多セーブ秋吉(秋吉)
20ホールド以上orチーム最多ホールド宮西
石川直
宮西
玉井
40試合以上(上記以外)玉井
公文

金子
※2020年はセーブは16セーブ以上or最多セーブ、16ホールド以上or最多ホールそ、32試合以上の選手を表示しています

 クローザーの秋吉が防御率6点台と絶不調、石川直もトミージョン手術でこのシーズン絶望とリリーフ陣が手薄になってしまいます。クローザーは最終的には宮西が担う状況で、苦しい台所事情でした。

 玉井が勝ちパターンに組み込まれこのシーズン21ホールドを記録するなど明るい話題もありますが、本人直訴でリリーフにまわった金子もそれほど機能できず、堀もまだ不安定なピッチングでリリーフ陣は全体的に不安定なままシーズンが終了してしまいます。

 このシーズンは加藤は主にリリーフ起用、杉浦が最終盤にクローザーの試験運用をしており、来季につながる動きは見せていました。

野手

捕手・内野手

ポジション2019年2020年
キャッチャー(清水)(宇佐見)
ファースト中田(清宮)
セカンド渡邊渡邊
サード(横尾)(ビヤヌエバ)
ショート中島(中島)

 セカンドの渡邊が打力を武器にして完全に定着するも、守備力の大きな不安は改善がないまま。

 ファーストは中田、清宮の併用でしたが、中田はともかく、清宮は3年目でもルーキー、2年目と成績が横ばいでチームの育成に疑問を持たれるようになります。

 キャッチャーは清水、宇佐見の2枚体制ですが両者とも攻守とも物足りなく、チームにマイナスをもたらす要因になってしまいます。

 サードも野村のブレイクの期待がかかるも故障で夢破れ、ビヤヌエバが予定通り入るも、巨人時代からの大化け期待も実りませんでした。

 ショートは中島がこの頃から完全に低迷期に入り、石井も相変わらず伸び悩みますが、平沼の台頭が見られ、彼に年上2人を追い抜くことを期待されますが・・・。

外野手

ポジション2019年2020年
レフト近藤近藤
センター西川西川
ライト大田大田
DH中田

 外野は前年と変わらないメンバーで、三者とも十分な成績でした。その反面、彼らの対抗馬になりうる選手の台頭がないシーズンでもその点では寂しいシーズンでした。

 DHは表では便宜上中田にしていますが、開幕延期のための過密日程を考慮して中田、近藤を中心に主力の休養のためにうまく活用していた印象でした。

まとめ

 振り返ってみると前年から野手のメンバーの入れ替えがほぼなく、しかも弱みのポジションが全く改善されないでシーズンが終了するという、実りが少ないシーズンでした。

キャッチャー、サード、ショートが致命的な弱みとなっており、なんとか手当てをしないと来季も同様の結果になりかねないと言う強い懸念を感じるシーズンでした。

 野村がわずかな出場機会ながらも能力の片鱗を見せてくれたことが数少ない収穫でした。

 次回は栗山長期政権の最終年の2021年です。

 以上、ハムかつサンドでした。

参考資料:nf3-Baseball Data House

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