【伏見寅威】ファイターズがFAで獲得を狙っている伏見はどんな選手か?

FA戦線も始まり、ファイターズではオリックスバファローズの伏見を獲得する動きが表面化しております。

伏見捕手に日ハムから連絡 オリックスから国内FA権行使(共同通信)

オリックスから国内フリーエージェント(FA)権を行使した伏見寅威捕手は13日、大阪市内の球団施設で報道陣の取材に応じ、日本ハムから連絡があったことを明かした。去就については「なるべく早く決めたい」と熟考を重ねている。

 日本ハムからは今季の推定年俸4500万円を上回る好条件も伝えられたようで、伏見は「評価はしていただいた。誠意を感じた」と話した。オリックスには「愛着はある。自分の中で気持ちを整理しないと決められない」と述べた。

共同通信

果たして伏見寅威はどんな選手か?簡単ですが見ていきたいと思います。

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守備面

まずは捕手で一番重要視したいのは守備面です。

一番わかりやすい守備の指標としては盗塁阻止率が上げられます。

今季の伏見の盗塁阻止率は.324とリーグ5位、ちなみに宇佐見がそのすぐ下の6位で.304ですからこれだけですと、あまり相違はない印象ですが、昨季では.415とリーグ2位を記録していますから盗塁を刺せる捕手として見ても良さそうです。

今季が1割以上数字を落としていることが気になりますが、投手や内野手との連携がうまく取れれば、新天地に移籍しても一定の水準の盗塁阻止能力は見せてくれるのではないでしょうか。

キャッチング、ブロッキングの面では心配なデータがあります。

プロ入りから昨季までの捕逸(パスボール)の記録が合計で3だったのに対し、今季1年間で5を記録してしまっています(リーグワースト2位)。併用されていた若月が1個、一塁と併用されていた頓宮が2個と今季の伏見の捕逸の多さが気になります。

リード面

一方、リード面では高い評価を得られている選手です。 

とは言ってもリード面を見える化することは難しいのですが、野球評論家の里崎智也氏が考案した捕手QSという評価基準で伏見の試合を作る能力の高さが証明されています。

【里崎智也】「捕手QS率」72・5% 光る阪神梅野隆太郎 リードを数値化(日刊スポーツ)←2022年度版

里崎智也氏提唱 捕手クオリティー・ゲームどうですか? 女房役にも評価軸(日刊スポーツ)←2021年度

この数値は捕手としてスタメン出場した時に「6回以上守って自責点3点以内に抑えた試合の割合」でいわば、投手の指標として用いられるQSの捕手版。

 今季の伏見は77.3%、昨季は66.2%と12球団1位でした(今季は先発72試合未満なので対象外になっています・・)

伏見と併用されている若月を比較対象とすると、若月が昨季58.1% 今季が65.4%といずれも伏見が上回っていることでNPBの中で試合を作る面においてトップクラスの捕手として評価してもいいのではないかと思います。

今季の宇佐見が65.2%、昨季の清水が54.3%ですから、ファイターズに入団してくれれば確実に捕手強化に繋がりそうです。

打撃面

個人的に伏見は攻撃型捕手の印象でしたが、捕手併用制で出場試合数も限られていますので、目立った数値こそ残してはいませんが、中嶋体制になって捕手で出場し始めるようになってからOPSは6割程度です。

今季の宇佐見が.668ですから、それに比べると物足りなさはありますが、2018年には.701,2020年も.693ですから決して打てない選手ではないです。

捕手ですから守備面に重きを置いて、打撃まで手が回らないというところも感じますが、本質的には完全な守備型捕手ではなく、打撃でもある程度貢献できる捕手という見方をしておきたい選手です。

人間性と懸念材料

それでは最後に人間性についてwikipediaで紹介されているところがありますので、引用させていただきます。

オリックスではチームのムードメーカーであり、ベンチでは大きな声を張り上げ、守備から帰ってくる選手を真っ先に出迎えるなど士気を高めている。また、練習中も先輩・後輩関係なく声をかけてコミュニケーションを取っている。ベンチでの声出しについては「年齢が上だから、若手に『声を出せ』というのは簡単。でも、自分から行動できる選手でないと、とは思う。若手に『寅威さんが元気出してるから、自分も』と思ってもらえたら」と語っている。

オリックスの同僚である山本由伸は「チームでの精神的支柱は誰か?」と問われ、伏見の名前を挙げている。

wikipediaー伏見寅威ー選手としての特徴・人物より

チームの士気を高めてくれるために、色々腐心してくれる選手のようなので、目に見えない面でもチームに貢献してくれそうな選手です。

ファイターズは野手陣でチームを引っ張ってくれるような選手が少ないので、もし加入してくれれば非常に大きい戦力アップに繋がりそうです。

一方、FA移籍した捕手の成績が全体的に芳しくないことが心配材料で、理由としてはチームを移籍した捕手は移籍先の投手の情報を一から入手しなければいけないという非常に手間がかかる作業があること、にも関わらず、FA移籍選手はどうしても周りから過剰に注目されるので、結果を短期的に出さなければいけない面もあります。

成功している選手は当時にNPBを代表するような選手くらいということを考えると、捕手のFA移籍がいかに難しいかを物語っているような気がします。

仮にファイターズに加入した場合でも捕手併用は続くと思いますので、そこまで伏見に負担がかからないとは思いますが、移籍先の環境がやりやすいかどうか、しっかり見極めてから決断してもらえればと思います。

というわけで以上、ハムかつサンドでした。

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