10月24日、球団公式のHPで以下のようなニュースがリリースされました。
北海道ボールパークFビレッジの所在地:町名について(北海道日本ハムファイターズ公式)
2023年3月より開業する北海道ボールパークFビレッジについて、所在地となる区域の町名が、2023年1月1日より変更となりますので、お知らせいたします。
・現住所:北海道北広島市共栄
・新住所:北海道北広島市Fビレッジ
北海道日本ハムファイターズ球団公式
こうあっさりとした記事ですと、ふ〜ん、そうですか。で流されて終わってしまいますが、よくよく考えてみると、

地名の変更って、そんなに簡単にできるの?
そんな疑問が湧いてこないでしょうか?
そんな疑問が湧いたので、何か手続きが必要なのか、考えていきたいと思います。
法令の根拠
地名変更をするには、二つの法律が根拠になります。
- 地方自治法の第260条
- 住居表示に関する法律等(リンクはwikipedia)
議案作成
手続きについては住居表示に関する法律等で手続きが明確化されているということですが、第3条がそれに当たるようなので抜粋してみます。
第3条(住居表示の実施手続)
1. 市町村は、前条に規定する方法による住居表示の実施のため、議会の議決を経て、市街地につき、区域を定め、当該区域における住居表示の方法を定めなければならない。
2. 市町村は、前項の規定により区域及びその区域における住居表示の方法を定めたときは、当該区域について、街区符号及び住居番号又は道路の名称及び住居番号をつけなければならない
3. 市町村は、前項の規定により街区符号及び住居番号又は道路の名称及び住居番号をつけたときは、住居表示を実施すべき区域及び期日並びに当該区域における住居表示の方法、街区符号又は道路の名称及び住居番号を告示するとともに、これらの事項を関係人及び関係行政機関の長に通知し、かつ、都道府県知事に報告しなければならない。
4. 市町村は、第1項及び第2項に規定する措置を行なうに当たっては、住民にその趣旨の周知徹底を図り、その理解と協力を得て行なうように努めなければならない。
住居表示に関する法律 第3条(住居表示の実施手続)-wikipediaより
まず住民に周知、徹底を図り、理解と協力を得るように努めなければならない、と書いていますが、北広島市の方ではどのような方法が行われたのかどうかは北広島市のHPで見つけられなかったので他自治体の例をあげて確認していきます。(参考資料 ※変更の場合の資料です)
- 町名変更届を市に提出
- 聴取、聞き取りなどを行い、反対運動がないか調査
- 懇談会委員からの意見聴取
- 通知
これで問題ない場合、初めて議会に議案として提出します。
議案作成〜周知まで
なお、地名変更を申請について、地方自治法の第260条にこのように定められています。
第二編 普通地方公共団体
第十四章 補則
第二百六十条 市町村長は、政令で特別の定めをする場合を除くほか、市町村の区域内の町若しくは字の区域を新たに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、当該市町村の議会の議決を経て定めなければならない。(以下略)
地方自治法、e-Gov法令検索より
法令の文章ってなんで、こんなに難しく書くんでしょうねえ・・・。とそれはさておき、市町村議会の議決が必要になり、当然の如く、独断で変更できるわけではありません。
では、北広島市がどのように手続きをしたかどうかは、HPで定例会の結果をPDFで確認することができます。
PDF令和4年第3回定例会議決結果(北広島市HPより)
令和4年第3回定例会議案書(議案第1号から第13号) (北広島市HP)
今回の地名変更については総務常任委員会で市長が令和4年第3回定例会の議案第9号として提案し、9月30日として原案のまま可決されたことがHPで確認できます。
議案として提出するまで、どのような動きがあるのか、HPではそれまでの経緯が確認できませんでしたのでその後の動きも先ほどの参考資料をもとに確認していきます。
- 町名変更に関する告示
- 施行
今回の北広島市のケースでは、建設前は森のようなところで住民の意見を聞く必要がなかった可能性もありますし、実際に建設中の場所で現在、住民はいない地域での地名変更ですから、上記で説明した流れで進めていない可能性も考えられます。
調べてみますと、やはり町名の変更は簡単ではないことが確認できましたし、球団HPで4行くらいであっさり告知している記事でも、それまでに多くの方が関わって、進めていることが確認できたのではないかと思います。
というわけで以上、ハムかつサンドでした。
参考資料:平成30年度 文教委員会資料②(川崎市)
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