【日本ハム2016年度レギュラーチェック】投手のやりくりで制した大逆転優勝

ファイターズは育成の球団を標榜していますが、果たしてその育成はうまく行っているのか?

ドラフトの指名・外国人の補強は的確だったのか?

レギュラー選手の移り変わりを見ることで確認していくシリーズ、今回は10年ぶりの日本一を掴んだ2016年を振り返って行きます。

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2016年度成績&表彰選手

  • 日本一
  • 87勝53敗3分 勝率.621
  • MVP 大谷 翔平
  • 新人王 高梨 裕稔
  • 本塁打王 B.レアード
  • 打点王 中田 翔
  • 最優秀中継ぎ 宮西 尚生
  • ベストナイン 大谷 翔平(投手・DH)中田 翔(一塁手)B.レアード(三塁手)西川 遥輝(外野手)

2015年オフ→2016年の主な出来事

  • マーティン、バース加入

投手

先発~15先発以上

2015年2016年
大谷大谷
メンドーサ有原
吉川メンドーサ
有原吉川
加藤

先発陣は、前年と基本変わらないメンバーです。

有原が規定投球回をチーム唯一達成とローテの軸として1年間、稼働しているのが大きくて、それ以外の投手はメンドーサ以外はシーズン通して、先発で投げた投手がいないという状態。このように書くと投手陣は火の車のような気がしますが、高梨、増井が途中から先発転向し二桁を上げ、カバーします。

リリーフ

2015年2016年
20セーブ以上orチーム最多セーブ増井マーティン
20ホールド以上orチーム最多ホールド宮西
谷元
宮西
谷元
40試合以上(上記以外)石井
白村
鍵谷
鍵谷

クローザーがこの年は増井が不安定で、シーズン中盤からはセットアップだったマーティンがクローザーに回ることになります。しかし、終盤で自らの不注意で足を負傷、代役クローザーに吉川を指名するが、うまくハマらず。シーズン最終盤、ポストシーズンは日替わりクローザーで凌ぐという優勝チームとは思えない状況でした。

宮西、谷元がブルペンの軸になり、鍵谷、井口が登板数を稼ぎます。

2016年の投手の特記事項

先発数、登板数である程度のその年の投手起用が見えてくるのですが、このシーズンだけはそれだけでは測れないところがあります。

上の表でまとめてみますが、実感とかなり差があるように感じます。新人王で日本シリーズでも先発している高梨の先発回数の少なさが一番分かりやすいかもしれません。

調べてみると先発、救援が共に10回以上登板している投手が3人もいました。

通常、同じシーズンで先発10登板以上かつ救援10登板以上というケースは、分業制が確立されている現代プロ野球では、かなりレアケースですが、このシーズンのファイターズには3人もいる。

この起用法が表していることは、それだけシーズン途中で配置転換をした投手が非常に多かったということです。今シーズンは首位と10ゲーム差以上あったものをまくったのですが、そのためになりふり構わず適材適所に選手をあてがい、なりふり構わず戦ったというのが後で振り返るとよく見えてくる数値だと思います。

ここで先発、救援両方で登板した主な投手をまとめてみたいと思います。

名前先発登板数救援登板数起用方法
加藤1614リリーフ→先発→リリーフ→先発
高梨1423中継ぎ→先発
バース1423先発→ユーティリティ
増井22クローザー→先発
吉川207先発→クローザー

高梨は日程の関係もあり序盤は中継ぎ起用とベンチの明確な方針が元々示されていたので計画通りですが、それ以外はその都度判断して、結果的にこうなったということでしょう。

バースは榊原、矢貫、谷元路線でしたね。本当に今振り返ってみてもチーム貢献度は本当に高い選手でしたね。

野手

捕手・内野手

ポジション2015年2016年
キャッチャー(大野)(大野)
ファースト中田中田
セカンド田中賢田中賢
サードレアードレアード
ショート中島中島

ここまで前年と変化がないのも珍しいのです。

理由を挙げてみると

  • 前年が大シャッフルしていたため
  • 攻撃の中心の2人がいるため(中田、レアード)
  • 熾烈な優勝争いのため、他の選手を試す余裕がないため
  • レギュラー陣が離脱するような故障がほぼなかったため

勝つチームはメンバーが固定されるとよく言いますが、その通りの状況でした。しかし、彼らを脅かす選手がまるでいなかったというのもチームとしては問題で、数年後にその問題が影を落とします。

あまり触れませんでしたが、キャッチャーは大野、市川の併用は変わらず。キャッチャーも内野同様の問題が影を落とすことになります。

外野手・DH

ポジション2015年2016年
レフト西川西川
センター
ライト(ハーミッダ)(近藤)
DH近藤大谷

外野も内野同様、あまり変動は見られませんが、大谷が打撃好調、シーズン途中で指の故障があり、野手専念していた時期も長かったため、後半戦はDH固定で出場する機会が増えてきます。

レフト、センターは西川、陽で変わらず。西川がこのシーズンで打撃が覚醒し、不動のトップバッターまでに成長するも、陽は絶好調の時期もあったのですが、パフォーマンスの低下が見え始めていました。

ライトは近藤や岡などが出場するもこのシーズンも固定はできず。しかし岡が高打率で存在感をアピールしており、ポスト陽の最有力として注目されてきますが・・・。

まとめ

大谷が何と言っても目立ったシーズンでしたが、振り返ると野手は前年固定できたメンバーがそれぞれ実力を発揮、投手陣はベンチの必死のやりくりでしのぎ、日本一をとることができたシーズンでした。

元々投手は故障が多いため、流動的なポジションですが、それを良いように対応できたこと、反対にメンバーを固定した方が戦いやすい野手は、前年でほぼ固定化できており、それぞれがパフォーマンスを上げることでチーム力を上げることができたと考えられます。

しかし、劇的なペナントだっため仕方ない面もあるのですが、投手陣があまりに流動的な起用だったため、投手陣の疲弊が心配されました。

野手もメンバーの固定化で若手の育成がほぼ手付かずに終わってしまったこと、あとは出突っ張りだったレギュラー陣の疲労も心配されました。

次回は一転、苦しいシーズンとなった2017年を振り返ります。

以上、ハムかつサンドでした。

参考資料:nf3-Baseball Data House

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