ファイターズは育成の球団を標榜していますが、果たしてその育成はうまく行っているのか?
ドラフトの指名・外国人の補強は的確だったのか?
レギュラー選手の移り変わりを見ることで確認していくシリーズ、今回はファイターズの顔とも言える稲葉、金子誠のラストイヤーとなった2014年を振り返って行きます。
2014年度成績&表彰選手
- 3位
- 73勝68敗 .勝率518
- 打点王 中田 翔
- 盗塁王 西川 遥輝
- ベストナイン 中田 翔(外野手)
2013年オフ→2014年の主な出来事
- 鶴岡 ソフトバンクに移籍
- ウルフ ソフトバンクに移籍
- 二岡 引退
- メンドーサ、クロッタ加入
- アンソニー・カーター加入(シーズン途中)
- 市川 巨人より金銭トレードで加入
投手
先発~15先発以上
2013年 | 2014年 |
---|---|
吉川 | 大谷 |
木佐貫 | メンドーサ |
ウルフ | 上沢 |
武田勝 | 浦野 |
中村勝 |
表にした感想としてですが、ここまで先発ローテが変わっているとは思いませんでした。
ウルフの退団、木佐貫、武田勝が衰えを隠せない状況、吉川が昔の吉川に戻ってしまい、ただでさえ、弱い先発がどうなるかと思いきや、今シーズンは新しいメンバーが一気に台頭し、先発強化に成功した年になりました。
ウルフの代わりのメンドーサはイニングイーターとして機能し、上沢、中村勝、浦野がローテに名を連ね、フレッシュな顔ぶれになります。
二刀流の大谷が2年目で早くも規定投球回、二桁勝利を達成。こんな早い時期にローテの中心まで上り詰めるとは思っても見ませんでした。
リリーフ
2013年 | 2014年 | |
---|---|---|
20セーブ以上orチーム最多セーブ | 武田久 | 増井 |
20ホールド以上orチーム最多ホールド | 増井 宮西 | 宮西 クロッタ アンソニー・カーター |
40試合以上(上記以外) | 矢貫 石井 | 谷元 |
1番のトピックはクローザーが増井にスイッチしたことです。
開幕は武田久でしたが、早い時期にベンチは彼に引導を渡します。セットアップには新外国人のクロッタが収まりますが、夏場以降は相手に研究されたのか、機能しなくなります。
アンソニー・カーターもシーズン途中に加入し、リリーフ陣を支えてはくれますが、高い信頼を得られず。
「困った時の谷元さん」がフル稼働します。この時代のファイターズは榊原、矢貫とスクランブルに備えているような投手が1人はいて、ブルペンを支えてくれる投手がいました。
野手
捕手・内野手
ポジション | 2013年 | 2014年 |
---|---|---|
キャッチャー | 鶴岡 | 大野 |
ファースト | (稲葉) | ミランダ |
セカンド | (中島) | 中島 |
サード | 小谷野 | (近藤) |
ショート | 大引 | 大引 |
稲葉の衰えが見て、固定できなかったファーストには新外国人のミランダを起用しますが成績としては微妙な結果で効果的な補強にはなりませんでした。
セカンドは今シーズンも最終的には中島でしたが、ベンチとしては西川をセカンドして育てたいという強い意志があったのか、かなりの試合数でスタメンセカンドを託しましたが、守備の問題は解消されず、結局は元さやでした。
鶴岡が去ったキャッチャー、そしてサードに大きな動きがありました。
大野がそのまま第一捕手の地位は守るのですが、二番手捕手はフロントとしては計算外のことが起きます。近藤を育成したかったのですが、小谷野が故障した関係でサードが不在になったところの穴埋めをぶっつけで近藤をサードで起用するという今振り返ってもびっくりの起用をします。
キャッチャーは今季加入の市川が守備面で問題ないところをアピールし、そのまま大野と併用体制を確立、そして近藤は小谷野の復帰後も、サードで併用されることになりました。
ここで近藤が捕手として経験を積むことができなかったことが、後々チームの編成で苦労することになります。
外野手
ポジション | 2013年 | 2014年 |
---|---|---|
レフト | 中田 | 中田 |
センター | 陽 | 陽 |
ライト | (大谷) | 西川 |
DH | アブレイユ | 大谷 |
大谷はこのシーズンから、野手出場時には守備につかず、DHでの出場がメインになってきます。前年の本塁打王、アブレイユが調整失敗でさっぱりのため、専任のDHがいなくなったことも影響しているかも知れません。
西川はこの年もセカンドでの起用は多かったのですが、最終的には外野で落ち着きました。打撃はまだ覚醒前ですが、盗塁王を獲得します。
レフト、中田は打点王、陽もキャリアベストの成績をマークし、この時のチームにまさに欠かせない存在に成長しています。
まとめ
2012年、2016年の間の年ということで発展途上のチームではあるんですが、振り返るとあまり、どちらのシーズンにもリンクしていることが感じられないシーズンなのかなと感じます。
一方、2016年の中心選手となる中田、陽は順調にキャリアを重ね、大谷も打者、投手とも大きな戦力として機能し始めており、この時点で先発投手としては既にエース格の成績を上げていることが、2年後の日本一のベースになっているのかなと思います。
稲葉、金子誠とチームを支えてきたベテランの引退、さらにこのシーズン限りで小谷野が退団とヒルマン体制を知る選手がほぼいなくなります。ショート、さらにチームリーダーとしての期待もあった大引までもFA宣言とまた一からチームの作り直しをしなければいけない状況でした。
最初に書いた通り、あまりリンクしていないと感じるのは、2014年で一旦リセットモードにならざるを得ないチーム状況だったからかもしれません。そのため2015年はチームの作り直しから再スタートになりました。
というわけで以上、ハムかつサンドでした。
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