ファイターズは育成の球団を標榜していますが、果たしてその育成はうまく行っているのか?
ドラフトの指名・外国人の補強は的確だったのか?
レギュラー選手の移り変わりを見ることで確認していくシリーズ、今回はリーグ優勝から一転、最下位に転落してしまった2012→2013年の変遷を確認していきます。
2013年度成績&表彰選手
- 6位
- 64勝78敗2分 勝率.451
- 本塁打王 M・アブレイユ
- 盗塁王 陽 岱鋼
- ベストナイン 中田 翔(外野手) M・アブレイユ(DH)
2012年オフ→2013年の主な出来事
- 糸井、八木 ↔︎木佐貫、大引、赤田の2対3のトレードがオリックスと成立
- 田中賢、米球界移籍
- アブレイユ加入
- 大谷入団、二刀流挑戦を表明
投手
先発~15先発以上
2012年 | 2013年 |
---|---|
吉川 | 吉川 |
武田勝 | 木佐貫 |
ウルフ | ウルフ |
斎藤佑 | 武田勝 |
多田野 |
吉川、武田勝、ウルフの3本柱がこのシーズンも健在ではあったんですが、ウルフ以外は数字を大きく落としてしまいました。
吉川は7勝15敗と大きく負け越し、武田勝も規定等級回数に到達できずと、中心の投手がこれでは厳しいのですが、さらに八木は移籍、斎藤もこの年から肩痛でほぼ全休、下から突き上げてくれる様な若手の存在も皆無。
苦しい投手事情の中で木佐貫が規定投球回数到達、9勝を挙げてくれたことが先発陣唯一の明るい材料で、彼がいなければ更に悲惨な結果が想像できるだけに、あのトレードが短期的には機能したと考えるべきなんでしょうね。
大谷が11試合先発。投手としては次シーズンから本領発揮ですが、このシーズンは足掛かりを作っている状況ですね。
リリーフ
2012年 | 2013年 | |
---|---|---|
20セーブ以上orチーム最多セーブ | 武田久 | 武田久 |
20ホールド以上orチーム最多ホールド | 増井 宮西 | 増井 宮西 |
40試合以上(上記以外) | 森内 | 矢貫 石井 |
セットアップ、クローザーは前年同様のメンバーでしたが、数字、内容は落ちています。武田久はセーブ数、防御率だけ見ると優秀ですが、内容は毎試合、綱渡りでしたし、限界を感じたシーズンでした。
スクランブル枠(?)は森内から矢貫に交替。左の2枚目は石井が滑り込み、しばらく左のリリーフは宮西、石井中心で回って行きます。
それ以外のリリーフ陣は谷元が先発と併用、鍵谷、河野も30試合以上登板とルーキーの奮闘もあったシーズンでした。
野手
捕手・内野手
ポジション | 2012年 | 2013年 |
---|---|---|
キャッチャー | 鶴岡 | 鶴岡 |
ファースト | 稲葉 | (稲葉) |
セカンド | 田中賢 | (中島) |
サード | 小谷野 | 小谷野 |
ショート | 金子誠 | 大引 |
このシーズンの内野は激動の年でした。
ファーストは稲葉が衰えを隠せなくなってきた年で、かなり流動的なメンバーでアブレイユや西川も守っていました。
田中賢が抜けたセカンドはシーズン序盤は西川がメインも、守備難、そして故障もあり、最終的には守備力で中島がポジション確保します。
ショートは移籍の大引がフロントの期待通り、金子誠の後継としてフルシーズン働くことができ、サードは小谷野がやや持ち直したこともあり、ほぼ固定されたシーズンでした。
キャッチャーは鶴岡・大野の2枚体制の最終年。終盤には大野のスタメンがかなり多くなっており、シーズン中から鶴岡退団後に備えていた印象です。
外野手・DH
ポジション | 2012年 | 2013年 |
---|---|---|
レフト | 中田 | 中田 |
センター | 陽 | 陽 |
ライト | 糸井 | (大谷) |
DH | ホフパワー | アブレイユ |
レフト中田、センター陽は、栗山監督がチームの中心と当時、表明している通り、不動でそれぞれベストナイン、盗塁王と結果を出しました。
テスト入団のアブレイユもDHで固定され、本塁打王を獲得。外国人大砲が長らく機能していないチームに待望の大砲の加入でした。
しかし、糸井の抜けたライトは固定されず。二刀流の大谷が当時は外野守備もしていたため、基本は大谷ですが、大谷が投手調整中の時、その穴を埋める選手が不在と二刀流の選手を抱えるチームの運営の難しさを感じさせるシーズンでした。
まとめ
最下位に転落したシーズンですが、一番の原因は投手力、特に先発の低下でしょう。
エースとして覚醒したと思われた吉川の不振、武田勝がそろそろ衰えが見え、ウルフ、木佐貫は奮闘するも、それ以外の先発の台頭がないシーズンでした。
野手陣は二遊間が総入れ替えとなり、セカンド西川の守備難などで守備が不安定というのも、投手陣崩壊に繋がった遠因でしょう。
一方、死球で終盤戦、離脱したものの中田が4番として機能して、陽も活躍と次世代の中心候補からチームの中心へと成長したシーズンでした。
二刀流挑戦の大谷ですが、チームとしては彼の育成、起用方法に苦慮していました。通常は野手中心で出場しながら、投手調整の際はチームを離れるという運用が、当時のファイターズではチーム全体でしっかりと運用できていない印象もありました。
当時は大谷も投手、野手としてもまだまだこれからということもあるので、二刀流のメリットよりも運用面でのデメリットが目立った頃でもありましたね。
次回は2014年。先発投手メンバーに変化が見られるシーズンを振り返って行きます。
以上、ハムかつサンドでした。
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