【日本ハム2010年度レギュラーチェック】国産打線で次世代の息吹を感じた一年

ファイターズは育成の球団を標榜していますが、果たしてその育成はうまく行っているのか?

ドラフトの指名・外国人の補強は的確だったのか?

レギュラー選手の移り変わりを見ることで確認していくシリーズ、今回は和製打線で挑んだ2009→2010年の変遷を確認していきます。

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2010年度成績&表彰選手

  • 4位
  • 74勝67敗3分 勝率.525
  • 新人王 榊原諒
  • 打点王 小谷野栄一
  • 最優秀防御率 ダルビッシュ有
  • 最多奪三振 ダルビッシュ有
  • ベストナイン 田中賢介(二塁手)小谷野栄一(三塁手)

2009年オフ→2010年の主な出来事

  • スレッジ、スウィーニー退団
  • ケッペル、ウルフ加入
  • 江尻↔石井 横浜と1対1のトレード成立(シーズン中)
  • 稲田、坂本、松山↔︎加藤、松家、関口 横浜との3対3のトレード成立

投手

先発~15先発以上

2009年2010年
ダルビッシュ武田勝
武田勝ダルビッシュ
八木ケッペル
藤井
スウィーニー

 先発は一年間、ローテで回った投手が少ないのがこの年の特徴です

 ダル、武田勝はさすがの安定感ですが、それ以外では新外国人のケッペルのみと少し寂しいメンバーです。

 表以外では、この年のルーキー増井が先発で経験をある程度積んでいる反面、昨年結果を残した八木、糸数が不振、吉川はこの年も期待に応えることができませんでした。

 大ベテランの木田の先発登板回数が7、これが先発陣の人材不作を象徴しているトピックですね。

リリーフ

2009年2010年
20セーブ以上orチーム最多セーブ武田久(武田久)
20ホールド以上orチーム最多ホールド菊地建山
宮西
40試合以上(上記以外)建山
宮西
江尻
(ウルフ)

 リリーフ陣も苦戦を強いられたシーズンでした。

 建山、宮西、林は健在でしたがクローザーの武田久が不振、菊地も大きく出番を減らします。

 リリーフ陣が前年と違い、なかなか揃わず、やりくりも厳しいシーズンでした。

 江尻は開幕シリーズで登板しながら、その直後に放出とフロントと現場の意思疎通ができているとは思えないようなトレードがあったのもこの年でした。

 ウルフは最初期待されたセットアップでは機能せず、中継ぎを経て、終盤に先発で結果を出します。

 この年で一番の功労者は新人王の榊原。ロングリリーフ、先発の緊急降板直後のリリーフなど難しい場面での登板ばかりでしたが10勝を挙げ、先発不安、リリーフの駒不足を救い、まさに救世主と言った存在でした。

野手

捕手・内野手

ポジション2009年2010年
キャッチャー鶴岡鶴岡
ファースト高橋信(高橋信)
セカンド田中賢田中賢
サード小谷野小谷野
ショート金子誠金子誠

 一見、昨季と変わらないメンバー。しかし、ファーストは高橋が故障などで離脱が相次ぎ、代わりに稲葉、中田が多く出場しています。

 稲葉はこの頃からポジションをファーストに移し始めた頃で、後半戦に一軍定着した中田は、DH、レフト、ファーストとその時のスタメンによって守備位置が異なり、まさに出番優先の育成強化選手といった感じでもありました。

 ショートは金子がこの頃から故障との戦いになっており、この年は出場が半分程度。

残りは飯山がカバーしましたが、ポスト金子問題の解決の糸口がみつからない状況でもありました。

 セカンド、サードの2人はまさにキャリアのピーク。田中賢が首位打者に迫る成績、小谷野が打点王と代わりを考えるのが失礼なくらいの素晴らしい活躍でした。

外野手・DH

ポジション2009年2010年
レフト森本森本
センター糸井糸井
ライト稲葉稲葉
DHスレッジ二岡

 レフト、センターは森本、糸井で固定。ライトは稲葉がファースト,DHでの出場機会が増えたこともあり、代わりに陽が入るケースが増えてきます。

 中田と陽が2010年で出場機会を増やしており、これはフロントがこの2人を将来の中心に育成したいという想いの強さを感じられます。

 DHは二岡が多いものの、専任というわけではなく、状況に応じてDHを活用しているシーズンだったと思います。

まとめ

 5年ぶりのBクラス転落となったシーズンでしたが、投手は先発が固定できず、リリーフ陣はクローザー不安定、数が揃わないと言った具合で不安定のまま、終わってしまいました。

 野手陣はメンバーの変化はこの年も少ないのですが、中田、陽と栗山政権の中心になる選手がこの辺りで一軍定着し、結果を残し始める。時代の移り変わりを少々感じることができますね。

 外国人野手不在という異例のチーム編成でしたが、Bクラス転落も次世代の野手に経験を積ませることができたこと、そしてこの2人がチームの軸として数年後に機能したわけですから、この年の方針も今思うと悪くなかったのかも知れませんね。

しかし、馴染みのメンバーがどんどんチームを離れていく、そんな寂しさを感じるオフでもありましたので、その点はかなり複雑な頃でしたね。

 次回は梨田政権最終年、いろいろな意味で節目の年になる2011年です。

 以上、ハムかつサンドでした。

参考資料:nf3-Baseball Data House

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