ファイターズは育成の球団を標榜していますが、果たしてその育成はうまく行っているのか?
ドラフトの指名・外国人の補強は的確だったのか?
レギュラー選手の移り変わりを見ることで確認していくシリーズ、今回は、3連覇を逃した梨田監督1年目、2007→2008年の変遷を確認していきます。
2008年度成績&表彰選手
- リーグ3位
- 73勝69敗2分 勝率.514
- ベストナイン 稲葉篤紀(外野手)
2007年オフ→2008年の主な出来事
- ヒルマン監督退任、梨田新監督誕生
- 北京五輪のため、ダルビッシュ、稲葉がチーム離脱
- スレッジ加入
- 川島・押本・橋本↔藤井・坂元・三木 ヤクルトとの3対3のトレード成立
- 金村↔中村 阪神との1対1トレード成立
投手
先発~15先発以上
2007年 | 2008年 |
---|---|
ダルビッシュ | ダルビッシュ |
グリン | スウィーニー |
武田勝 | グリン |
スウィーニー | 武田勝 |
八木 | 藤井 |
吉川 | 多田野 |
先発の顔ぶれは前年と大まかに変わらない構成ですが、移籍の藤井、MLBから加入の多田野がローテに組み込まれ、逆に吉川は2年目のジンクスにどっぷりとハマってしまいました。
長年ローテの軸として活躍した金村が移籍しても、その穴はあまり感じることがなかったくらい、先発の頭数はしっかり揃っているのですが、反面、グリン、武田勝は成績を落としているので、このメンバーに食い込むほどの選手が他にいなかったとも取れますので、そこは微妙ですね。
リリーフ
2007年 | 2008年 | |
---|---|---|
20セーブ以上orチーム最多セーブ | MICHEAL | MICHEAL |
20ホールド以上orチーム最多ホールド | 武田久 | 建山 武田久 |
40試合以上(上記以外) | 江尻 | 宮西 |
江尻が前年の故障の影響でこの年は、ほぼ全休、そして武田久が勤続疲労からか不振というシーズンでしたが、その代わり再度リリーフに転向した建山が復活し、リリーフ陣を支えてくれます。
ヤクルトから移籍の坂元がロングリリーフで存在感を出してくれました。
この年、宮西がルーキーで50試合登板。当時はワンポイント中心でしたが、大記録の一歩を踏んだシーズンとしても感慨深いです。
野手
捕手・内野手
ポジション | 2007年 | 2008年 |
---|---|---|
キャッチャー | 高橋信 | 鶴岡 |
ファースト | (田中幸) | (高橋信) |
セカンド | 田中賢 | 田中賢 |
サード | 小谷野 | (小谷野) |
ショート | 金子誠 | 金子誠 |
野手陣はこの年は故障者が多く、北京五輪の影響もあり、やりくりに苦心しているシーズンでした。
キャッチャーは鶴岡が高橋を出場試合数の面で初めて抑えたシーズンでしたが、これは高橋がファーストとの併用だったため。スタメンを見返してみると、この年までは高橋・鶴岡体制と言えるシーズンでした。
前年固定できなかったファーストはいろいろな選手を試しましたが、高橋がこのシーズンである程度、目処が立ったことで翌年に繋がります。
二遊間は相変わらずのこの2人ですが、田中賢がフルイニング出場達成したのに対し、金子は故障に泣かされます。ポスト金子についての議論が活発になるのもこの頃からと思われます。
サードのレギュラーは小谷野と言っても間違いないのですが、チーム事情からかファーストさらにレフトまで守っていたりとユーティリティーぶりを発揮。サードの名手に今後、成長するとは思えない起用方法ですね。
外野手・DH
ポジション | 2007年 | 2008年 |
---|---|---|
レフト | (坪井) | (工藤) |
センター | 森本 | 森本 |
ライト | 稲葉 | 稲葉 |
DH | セギノール | スレッジ |
外野,DHはあまり大きな変化はありません。
森本、稲葉は固定されていましたし、DHも退団したセギノールから結果的にスレッジに変更した形で落ち着きました。
レフトでは2007年のレギュラーは混戦模様でした。最多出場は工藤でしたが、その工藤も含め、糸井、さらに小谷野なども守る状況で、故障者の状況から流動的な起用もみられたということでしょうか。
その糸井が外野3ポジション全てで出場し、翌年のブレイクへの布石は打った形でシーズンを終了します。
まとめ
シーズン中に五輪開催で稲葉、ダルビッシュがチームから離脱するというイレギュラーなシーズンでした。
しかし、五輪参加中に空いた外野の1枠を利用して糸井の育成に当てることができたとも考えられ、ここはかなり強かな育成方法と感じます。しかし、それ以外のニューフェイスの台頭はあまり見ることができなかったシーズンでした。
メンバーこそ変わらないものの、首脳陣の大幅な交替、2連覇後の勤続疲労などでパフォーマンスが落ちた主力選手もいましたし、チームとしてはベストの状況で戦うことが難しいシーズンした。
次回は2年ぶりのリーグ優勝をどのように勝ち取ったのか、ファイターズ的スモールベースボールの完成形とも言えるシーズンの2009年を振り返っていきたいと思います。
以上、ハムかつサンドでした。
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