プロ野球ファンが応援しているチームに対して持つ疑問や不満もいろいろあります。
なかでも特に、選手の育成、補強については、どのチームのファンでも議論によく上がります。

選手が育たないのはコーチの能力不足だ!!

ドラフトがうまく機能していない!!フロントは何やっているの!!

外国人、本当にハズレばかりだよな!!人見る目ないんじゃね!?
こんなコメントよく見ますよね(笑)。
ファイターズは育成の球団を標榜していますが、果たしてその育成はうまく行っているのか?
そして、ドラフトの指名は効果的だったのか?そして外国人の補強は的確だったのか?
しかし、それぞれを精査するのは、現在進行中のチームを外部の人間が評するのはかなり難しいと思います。
そこで、それぞれのレギュラー選手の移り変わりを見ることで確認できないだろうか?
そんな観点から始めるシリーズが、名付けて
「年度別レギュラーチェック」
要するにレギュラー選手の変遷を年度ごとに確認するシリーズです。
記念すべき第1回は北海道移転後、初の日本一となった2006年。2005年からの変遷を確認していきます。
2006年度成績&表彰選手
- 日本一
- 82勝54敗0分 勝率.603
- MVP 小笠原道大
- 新人王 八木智哉
- 本塁打王 小笠原道大
- 打点王 小笠原道大
- 最多セーブ MICHEAL
- 最優秀中継ぎ 武田久
- ベストナイン 小笠原道大(一塁手)田中賢介(二塁手)稲葉篤紀(外野手)セギノール(DH)
2005年オフ→2006年の主な出来事
- 入来、米球界挑戦のため退団
- 古城、実松↔岡島 巨人との2対1のトレード成立
投手
先発~15先発以上~
2005年 | 2006年 |
---|---|
金村 | 八木 |
入来 | ダルビッシュ |
鎌倉 | 金村 |
江尻 |
まず先発投手から振り返ってみます。
15先発以上の括りで書いていますが、金村以外全て面子が変わっていると、かなり変化が激しい年でした。振り返ってみると、先発ローテは表記の3人以外は全て谷間のような印象だったような記憶があります。
入来の退団、鎌倉の故障など、層が薄いなかで更にいなくなるというかなり厳しい状況でしたが、05年途中で経験を積んでいたダルが06年の特に後半から覚醒し、一気にローテの核にまで成長。
そしてルーキーの八木、武田勝がローテに入ってくるなど、新戦力の台頭が不足分を補うどころか大きなプラスを作ってくれたシーズンでした。
金村が最終盤で監督批判で出場停止、その後のシーズン最終戦でダルがリリーフ登板して覚醒し、わかりやすいエース交代劇が起きたのもこの年です。
リリーフ
2005年 | 2006年 | |
---|---|---|
20セーブ以上orチーム最多セーブ | 横山 | MICHEAL |
20ホールド以上orチーム最多ホールド | 建山 | 武田久 岡島 |
40試合以上(上記以外) | 吉崎 | 建山 トーマス |
リリーフ陣も大きな変化が起きています。
リリーフ強化で岡島を獲得したのもプラスでしたが、この時期のリリーフの代名詞的存在の二人が台頭したのもこの年でした。
武田久、MICHEALは前年にもある程度の結果を出してはいましたし、前年にクローザー、セットアップが固まらなかったことも抜擢されたその背景でしょうか。
野手
捕手・内野手
ポジション | 2005年 | 2006年 |
---|---|---|
キャッチャー | (中嶋) | (高橋信) (鶴岡) |
ファースト | (小田) | 小笠原 |
セカンド | 木元 | 田中賢 |
サード | 小笠原 | (木元) |
ショート | (金子誠) | 金子誠 |
キャッチャーは2005年の正捕手は高橋でしたが故障で離脱で、レギュラー不在の年でしたが、翌年、高橋の復帰、そして鶴岡の台頭があり、捕手2人体制になります。
今思うとよく2番手捕手の實松を放出出来たなと思いますが、前年4 試合出場のみの鶴岡が一軍で使えると判断したと思われるフロントの慧眼があったということですね。
内野はかなりシャッフルしている年でもあるんですよね。
変わらないのはショートのみですが、前年はアルモンテというショートを守れる外国人が加入し、金子のとっては、苦渋を飲まされていたシーズンでしたからポジションを奪い返した年と考えると、一度メンバーをリセットして、このようなメンバーになったと考えるべきでしょうか。
木元が故障で離脱、田中賢の台頭が大きな動きで結果的にビッグバン打線からスモールベースボールへの転換に繋がりましたし、加えて小笠原がサード→ファーストに再コンバートしたことで守備の安定がはかれたことも大きかったのかなと思います。
シーズン終盤にはサード以外が固定できたことが優勝争いに最後まで絡むことができたと思います。
ちなみに最終盤のサードは稲田、マシーアスの併用でした。
外野手・DH
2005年 | 2006年 | |
---|---|---|
レフト | 坪井 | 森本 |
センター | SHINJO | SHINJO |
ライト | 稲葉 | 稲葉 |
DH | セギノール | セギノール |
外野陣は他のポジションと比較すると、それほど大きな変化はなかったのですが、坪井の故障離脱で森本がその穴を埋めた、というシーズンです。
もっとも森本は坪井,SHINJO、稲葉という当時強力な外野陣の影に隠れていたものの、100試合以上の出場がありますし、順当なレギュラー昇格でした。
まとめ
前年5位からの一気に上り詰めた日本一のシーズンでしたが、ここまで主力選手が入れ替わり、結果が好転したケースも他球団も含め、あまりないのではないでしょうか。
新戦力台頭といっても、いろんなケースが考えられますので、ケースごとにまとめてみたいと思います。
ルーキー(前年ドラフト) | 八木・武田勝 |
移籍 | 岡島 |
前年一軍帯同→レギュラー昇格 | ダルビッシュ・武田久・MICHEAL・森本 |
前年ファーム組→レギュラー昇格 | 鶴岡・田中賢 |
表にすると、いろいろなルートがありますね。
それでも、昨季チームに在籍していない選手が加入してチームが強化されたと考えるよりも、この年の場合は一軍であれ、二軍であれチームに在籍していているものの、未だ覚醒していなかった選手が、2006年に一気に目覚めたことが、チームの急成長に繋がったと捉えたほうが正解なのかなと考えています。
日本一の栄光の直後、オフは本当に色々ありましたが、どのようにチームの変遷を辿っていたのか? 次回は激動のオフの直後、連覇を達成した2007年です。
以上、ハムかつサンドでした。
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